追記:
May 探偵プリコロ 3巻あたりからは下記の欠点がだいぶ解消されています。
ミステリー+ギャグのエッセンスを混ぜ合わせた魔夜さんらしい作品ではあるが、この手の設定は「パタリロ」本編でも何度もやっているもの。なのにストーリーもギャグもキャラの魅力も、すべてにおいて数段落ちる内容。
まず、主人公のプリコロが「少年」、「王族」、「二頭身」と、外見も含めパタリロとまったく同じキャラ設定で新鮮味が無い上に、性格的にはただの「勘違いミステリーおたく」でしかなく、キャラとしての魅力がまるで無い。しかもその趣味が高じて王族の特権で捜査に無理やり参加しているだけ。事件に関る切迫した必然性が無いので、ストーリーにも緊張感が無い。せめて外見だけでもパタリロとは違う方向性のキャラに挑戦して欲しかった。
また、この作品の肝であるはずのプリコロの「迷」推理が何故か正しい結果になる過程も、ただの「言葉の聞き間違い」とか、「間違った推理がたまたま真実だった」という超ご都合主義。もちろんそれがギャグとして面白ければ良いのだが、ほとんどは駄洒落にもなっていない「なんだそりゃ?」というレベル(プリコロが「えー、石焼」と言ったのを「映写機」と聞き間違えて観念するというのにはさすがに呆れた)。
ストーリーも「パタリロ」にあるような感動的な結末の話は無く、ただの勘違い推理が真相だったというプリコロの自己満足的な展開ばかりで、話としての深みがまったく無い。
「ゆるゆる推理モノ」とか「脱力系推理マンガ」という狙いは分かるが、最初から本格ミステリーとしてのロジックで勝負する気が無いなら、せめてギャグやシナリオには気合を入れて欲しい。
絵も今までの作品と比べると描き込み量が少なく、魔夜さんには珍しく大ゴマが多い事もあって全体的に空白が目立つ。魔夜さんファンだから出る本はすべて買うけど、作品としての評価はイマイチ。