本書の随所にはセレブリティーの言葉がちりばめられ、めくるめく気取りと遊びの感覚をいっそう高めている。マドンナはこう言っている。「ブラニクの靴はセックスよりすてき…しかもセックスよりも長持ちするわ」。「マノロの靴をはくだけで、思わずすれ違う男の人みんなに『ごきげんいかが』って言ってしまうのよ」と言うのはジョアン・リバース。ナオミ・キャンベルは、ブラニクを靴のゴッドファーザーと呼ぶ。そのほか、パロマ・ピカソ、アイザック・ミズラヒ、ビアンカ・ジャガーも登場し、アンナ・ウィントゥアー、アンドレ・レオン・タリー、アンナ・ピアッギといったヴォーグ誌の大物や、ニューヨーカー誌のマイケル・ロバーツによる紹介文も収録されている。レイアウトはブラニクの作品を尊重した趣のあるもので、サーカスのような色彩の絵に、グレイで書かれた最低限の文章が添えられ、ブラニクの見事な走り書きも見ることができる。
1970年代から2000年代まで、10年ごとにまとめられたコレクションは、多様で興味深く、美術館の目録にも劣らぬ資料的価値がある。靴を芸術と見るファッション愛好家やデザインの熱狂的ファンにとっては、心ひかれる1冊にちがいない。
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