前作"Doppelganger"が、『プログレの構築美へハードコアの激情を絡めつける』とでも言うべく、互いに相反する要素を巧みに『融合』させた作品だとすれば、今作は全くその真逆を行っている。バラっバラのピースを意図的に激突させ、そこに生じる出鱈目な(そして激烈な)反応を楽しむように、次から次へと異常なテンションで継ぎ接ぎされていく楽曲群。そこから放出されるのは、強烈な(そしてどう見ても確信犯的な)『違和感』。
プログレッシブでありヘヴィロックでもデスメタルでもあり、また一方でカオティックな狂騒を演じつつメロディアスに場を揺らしもする音のピースは、ものの見事にどれもが全く手を取り合おうとしない。ひたすらにブツかり激突しつつ展開(というか転回)する様は、ワラケルほどにグッチャグチャ。
え?Weezer!?と思うようなセンチなメロ/歌詞を、ドシャリと拡散するディストーションに乗せて謳うTr."Oh, The Casino!"、シンプルなギター・サウンドに合わせてしっとりとした憂いを放つTr.11"Caught Up"といった意外な表情をチラつかせつつ、しかし基本カオス満開でアルバムは驀進。作品中盤から後半へと進むにつれ、ヘヴィネスを増したメタリック・リフの暴虐っぷりが非常に劇的にキマり始め、炸裂する音の刺激性はどんどんどんどんと昂まっていくよう。時にLed Zeppelinの硬式飛行船がBlack Sabbathのトレーラーと正面衝突して大破するような、非常識的でトンデモな音が連続して創造されていく瞬間には、もう笑うしかない。