ルーンはオハイオからニューヨークに出てきた、映画と童話が大好きな若い女の子。本名も年齢もはっきりさせずに、レンタルビデオ店で気ままに働いていますが、ある日延滞ビデオの回収に出かけたところ、顔なじみになっていた借り主の老人が殺されていました。老人が借りていたビデオに、殺された理由が隠されているのではないかと、ルーンは犯人探しを始めます。
ジェフリー・ディーヴァーの初期の作品で、リンカーン・ライムシリーズなどとは少し雰囲気が違い、そちらを先に読んでしまってる人からは物足りなさを感じるという声もあるようですが、お得意のどんでん返しはたっぷり盛り込まれていますし、なによりペーパーバックとしては短めで、単語的にも少し易しく書かれているのが初心者には有り難いところです。
主人公のルーンはいわゆるフリーター、取り壊し寸前の無人ビルに勝手に住み着き、仕事よりも自分の好奇心の方が優先、この小説のどこがハラハラするってヒロインの人生かも知れません。ルーンの行く末が心配になって2作目、3作目と読み終われば、The Blue Nowhereや、The Bone Collectorなどもずっと読みやすくなっていることでしょう。ジェフリー・ディーヴァー入門としてイチオシです。
なお邦題は『汚れた街のシンデレラ』となっていますが、マンハッタンを「汚れた街」は、ちょっと...ルーンはニューヨークを気に入っているのに。シンデレラ・ストーリー的な要素もありませんから先入観を持たないで。