映画「マンハッタン」を封切りで見て、早速このLPをかって当時はさんざん聴いていました。開巻間もなく、マンハッタンの街並みにこの「ラプソディ・イン・ブルー」が被さるシーン。これだけで涙が出るほどの素晴らしさです。かつて某音楽誌で「ラプソディ・イン・ブルー」の聞き比べがされたときに、この曲の名演とされるバーンスタイン盤(確かにこれはすばらしいです)がカットがあるということで栄冠を逃し、結果最終的に選ばれた結果を見て「ノーカット全曲名演ならメータ盤があるじゃないか」と私は思ったものでした。おそらくポピュラー枠での発売ということで視野に入ってこなかったのでしょう。が、このアルバムの第一曲「ラプソディ・イン・ブルー」はメータの傑作です。しかしこの盤の本当のねうちはかつてのLPではB面に収録されたガーシュイン・メドレーの素晴らしさ。トム・ピアソンの編曲もすばらしく、オーケストラ演奏の間にはさまれたディック・ハイマンを中心とするトリオおよびクインテットの演奏がまた洒落ています。素晴らしいのが特に大詰め、ヒー・ラヴス・アンド・シー・ラヴスからラヴ・イズ・スウィーピング・ザ・カントリーへつなぎ、ランド・オブ・ザ・ゲイ・キャバレロで盛り上げ、とどめはストライク・アップ・ザ・バンド。そしてバット・ノット・フォー・ミーでしっとりと終わる。最高です。