ふた昔前はカラヤン盤しか無かったシェーンベルクの"ペレメリ"。バルビローリやバレンボイム、ミトロプーロスの録音もあったがCD化されるのが遅かった。一昔前になるとメータ、ブーレーズ他に若手指揮者による新録音も続々登場してきた。さらに無名な楽団のCD-Rなども入手できるようになった時にはこの曲も市民権を得てきたなと感じた。ただしどれも複雑な内声部を隠すようなつまらない音しかしない。アバドとGMJOの組み合わせはDGのウイーンモデルンというシリーズで知っていたので興味深く試聴した。冒頭10分は"ペレメリ"の解説。さらに本編随所にメーテルリンクの原文(+英語訳)と色による登場人物の案内。このディスクはマーラーも入っているが、マーラーには一切このような説明は付かず、明らかにこの無言オペラを主に扱っている。演奏は平易、中庸、味付け無しにこの難曲を知ることが出来る。ただし若い演奏家の常で薄味といえなくもない。むせ返るような濃密さを求めるとアバドの歳のせいもあるが落胆するかも。映像があることは室内楽的静寂部分でも緊張感が衰えず効果的だ。目立たない声部も目で聞くことができる。サラウンドという新趣向もとても気に入った。聞こえすぎて困っちゃう人には2chも用意されているので心配なし。観客はとても大人しく終了後の静寂が不気味でもある。もちろんだれも作曲者を精神病院に入れてしまえ!と言い出さないのでこの曲のNo.1として特薦します。