これに限らず、Doverのスコアは、概してやや古めの校訂譜のコピーである。また、印刷のにじみ・かすれが随所に見られる(下敷きとなっている楽譜の品質・コピーの品質、ともに万全というわけではないということ)。
Doverとは言え、これらが問題にならないような曲であれば、十分に使い物になるのだが、このマーラー1番は、両方において問題が大いにある。
後者は、純粋に「印刷文字のにじみが多い」。細かい文字や音符が見づらい。
前者だが、例えば終楽章[11]のホルン、[56]からの増強金管楽器の扱いを、音楽之友社版と比較すると一目瞭然。おそらく、このDoverの形で演奏される機会は、昨今、非常に少ないだろう。
このDoverスコアは、あえて古い校訂譜を見てみたいという、特殊な目的の方に適した商品である。一般には、音楽之友社版を購入するのが無難であろう。