カメラワークはたぶん素人に近くて、低予算で作られたドキュメンタリーなのだけど、とっても感動したドキュメンタリー作品。
NYで、子どもたちに10週間のダンスのプログラムをし、各学校から選ばれた数組のペアが、予選を勝ち抜いてファイナルで踊るまでを追ったもの。
NYは地域によっては貧富の差が激しくて、学校に通う子どもたちのバックグラウンドはまさに千差万別。このドキュメンタリーでは、おそらく意図的に移民ばかりが集まる、犯罪の多い地域にある、英語も怪しいような子どもが通う学校、経済的に恵まれた両親の元から通う子どもたちが通う学校、そして、その中間の、労働階級の子どもが通う学校とピンとキリと平均の集団をバランスよく選び、彼らの練習風景を追っている。恵まれた子どもはこの先、習い事としてダンスを習うことはあるかもしれないけど、貧しい地域にある学校では、ダンスのレッスンなんて、これが最初で最後かもしれない。
このプログラムは、ダンスを習得することが目的なのではなくて、ダンスレッスンを通じて、勉強以外の自分のタレントを発見し、目標に向けてチームでがんばるという協調性を育み、達成感を経験するという広い目的がある。関わっているいる先生たちも、学校の代表を選択するときに時には涙を流しながら悩み、予選に勝ち残れなかった場合の子どもたちのフォローアップをどうするか真剣に話し合い、ダンスを通じたコミュにケーションをどのように教えるのか、とても情熱的に取り組んでいる。
たった10週間で子どもたちの表情に変化が見られる。レッスンを受けているプレティーンの子どもたちが、異性と体を触れて踊ることをどう感じているのか、誰と踊りたいのか、などの素顔も捉えている。子どもを取り巻く大人たちのいろいろな思いも見ている者の胸を熱くする。トーナメント後の子どもたちの話し合いで、自分たちの予選負けをどのように受け止めるかという部分も興味深い。
実際のダンスそのものも、ファイナルまで来ると大人顔負け。でも、大人と子どもが半分半分のあどけなさが残る顔で、ポーズを決めて踊るところはとても微笑ましい。