一般に言われているように、玉木宏の悪役キャラはなかなか魅力的。撮影のレベルも日本のアクション作品としてはそれなりに高い。が、やはりそれだけ。冒頭から無意味に長い殺人シークエンス。確かに主人公の恐ろしさを表現するという意味では必要なシーンではあるが、ここまで長く、しかも無意味にカーチェイス、バイクチェイスまで入れてやる必要があるだろうか。
島での主人公二人の関係性がさっぱり見えてこない上に、現在でも意味ありげに、いかにも因縁深そうに話す二人だが、最後まで見てもなぜこの二人がここまで特殊な絆で結ばれているのか、まるでわからない。原作を読めばわかる云々というのはなんのいいわけにもならない。これは映画なのだ。単体で評価できないガラクタであるなら商品としての価値はないだろう。
結局のところ意味ありげ、派手そうなビジュアルとストーリーである割に、最後の最後まで起こっていることはたいしたことがないのも痛い。ただでさえツッコミどころの多い作品であるというのに、なんら意外な展開にならない。
新聞社や警察の描写がやけに多いが、はっきり言って蛇足な部分ばかりだ。これをやるなら、主役二人の業の深さに時間をかけなければ。
というわけで、全体的に邦画大作にありがちな外装はそれなりに派手だが中身が全然ついていけていない作品の典型である。中途半端な「ボーン〜」演出の劣化コピーに力を入れるくらいなら、もっと力を入れるべきところがあったはずだ。