高貴ないや高貴らしい人を守るために多くの人間が血を流す物語です。しかもその高貴な人はまったく魅力的じゃないです。ただびっくりしたり泣いたり、普通の反応です。民間人と軍人が要人を守るために虐殺されてゆくドキュメントとして鑑賞しました。大体この手の話って段々魅力的な人物にじゃじゃ馬が変貌してゆくんですけど一切無いです。リアルでよろしい。しかし守り甲斐の無い人だったなあ。それから蒙人に連行された理由も極めて個人的な行状の結果らしいことが判明します。土木の変のようなこととは関係ないらしい。なおさら護る理由が空しくなる。これが好きな人は自分に照らし合わせて分かる分かるってことなんでしょうか。人生そんなもんですからね。担ぐ人間を間違えると地獄にまっさかさまです。まあ本当激しく虚しい映画でした。中華思想を具現したプロパガンタなんでしょうか。あとヒロイン以上に主役も凡庸でしたね。これだけ寡兵で勝負するのに知恵が無い。トリッキーな技を何も持ってない。脇役二人は仕掛けて仕損じ無しの弓箭の腕前とどこで習ったか見事な槍術を振るってかなり活躍するんですけど主役は剣を振り回すという極めてオーソドックスな戦い方です。少年漫画で主人公より変わった武器を使う脇役のほうが人気が出ちゃう法則を思い出しました。しかもあまり巧くない。力任せにぶったたいているような感じです。あとこういう主役側が一方的に不利なドラマって主人公は冗談が巧かったり当意即妙の会話ができたりするんですけどそれもない。押し黙っていて面白くなさそうな人間です。少なくとも着いて行きたくなる様な種の人物じゃあありません。さっきも述べたようになにより智謀が無い。墨攻のような大敵を翻弄し錯乱させるすごい謀略の発動を主人公に期待しましたが無かったです。最後まで奇策無しのオーソドックスな作戦しか立てられない学級委員長っぷりに口があんぐりでした。