いま最も勢いのあるアニメスタジオのひとつ、京都アニメーションが
手かげた完全オリジナル作品。大いに期待して購入しました。
初見の印象についてですが、端的に言うと「90年代ごろの劇場作品」
っぽい感じがします。世界設定やキャラは「天空のエスカフローネ」
「アルスラーン戦記」「バスタード」あたりに近い印象で、多少古さ
を感じます。「構想5年」と銘打っているのですが、実際に完成する
までの間に、こういったストレートな異世界ファンタジーは、時代
遅れになりつつあります。
一方で「劇場作品」と言ったのは伊達では無く、作画の充実ぶりは
凄まじいほど。最近では滅多に見られなくなった、国内スタッフ中心
の細やかかつダイナミックな動きは、昨今の「美しいけど動かない」
アニメと対極を為す、手作り感あふれる作画です。(そこも古さを
感じさせる要因ではあるのですが)
世界設定は、魔導王ムントを中心に群雄割拠する天上世界と、ヒロ
インである中学生・ユメミが属する地上世界(つまり現実世界)との
対比によって描かれています。ムントとユメミとは、それぞれの世界
の代表であり、また二つの世界を繋げる鍵の役割も担っています。
まあ、90年代のファンタジーにありがちな設定と言えなくもないです。
ストーリーは、前作「MUNTO」で天上世界を救うようにムントから乞
われたユメミが、一大決心をして地上を離れ、ムントと天上世界に
向かう所までが描かれています。つまり、バリバリで未完です(笑
やはりアニメスタジオ主導という事でしょうか、作画や美術の素晴ら
しさに対して、ストーリーや設定の弱さ・古さが目につきます。
それでも、こういった試みを行った京アニに対して、ぜひ応援したい
と感じました。今の日本で、こういうオリジナル作を、しかもOVAで
発表する、というのがとても困難な事だからです。