この漫画は、リアリティに富み現実感(21世紀の日本)を失わせます。
マッドメンとは、原初から続く聖なる兄妹を守護する精霊たち。
遙かな時を超えて現代に蘇った二人は、次第に自分の行く道を見つける。彼らを導く仮面や、科学者たちの、人間の
連なりを飛び越えて兄妹は自由な自分を勝ち取ってゆく。
二人の生きるのは、最も文明とは縁の遠いニューギニアの奥地。多くの迷信や混乱した見方の暴走が人々を迷わせる。
その中で、聖なる兄妹は傷つきながらも道を探す。 命を失いかける兄を救うために、妹は精霊に導かれて旅に出る。
勿論、これは巧みに積み上げられた虚構からなる「新しい神話」です。ここにあるような主題の神話は、どこの世界にもあります。
でも、実際に画と台詞をもって築き上げられたこの話以上に具体的で機知に富んだ話は少ない。
手にとってみると、1ページ目から妙に懐かしい風が吹いてくるのは、この本を読む私たちが求めているからでしょう。
神話は、J・キャンベルが言うように普遍的で共通項の多い「文明の証左」であるなら、この異界で繰り広げられる「神話」は、どこか懐かしい香りがするようです。