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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
異界への憧れ,
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レビュー対象商品: MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL) (単行本(ソフトカバー))
この漫画は、リアリティに富み現実感(21世紀の日本)を失わせます。マッドメンとは、原初から続く聖なる兄妹を守護する精霊たち。 遙かな時を超えて現代に蘇った二人は、次第に自分の行く道を見つける。彼らを導く仮面や、科学者たちの、人間の 連なりを飛び越えて兄妹は自由な自分を勝ち取ってゆく。 二人の生きるのは、最も文明とは縁の遠いニューギニアの奥地。多くの迷信や混乱した見方の暴走が人々を迷わせる。 その中で、聖なる兄妹は傷つきながらも道を探す。 命を失いかける兄を救うために、妹は精霊に導かれて旅に出る。 勿論、これは巧みに積み上げられた虚構からなる「新しい神話」です。ここにあるような主題の神話は、どこの世界にもあります。 でも、実際に画と台詞をもって築き上げられたこの話以上に具体的で機知に富んだ話は少ない。 手にとってみると、1ページ目から妙に懐かしい風が吹いてくるのは、この本を読む私たちが求めているからでしょう。 神話は、J・キャンベルが言うように普遍的で共通項の多い「文明の証左」であるなら、この異界で繰り広げられる「神話」は、どこか懐かしい香りがするようです。
15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
他のバージョンや収録作について,
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レビュー対象商品: MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL) (単行本(ソフトカバー))
「マッドメン」は著者の数多の傑作群の中でも最も注目すべき作品の1つです。「もののけ姫」にも多大なインスパイアを与えたであろうと推察されます。作品自体は文句無しで☆5つ。この豪華決定版に関しては、値が張るのが少々残念に思います。他のバージョンとしては現在、ジャンプスーパーコミックス版全2巻(A5版。第2巻に「鯖イバル」「ダオナン」を併録)や、文庫版全2巻(第2巻に「鯖イバル」「ダオナン」「ラストマジック」「王の死」を併録)などが出版されています。自分は併録作品では「ダオナン」が凄く好き。名作だと思う。 以前は中央公論社から、全1巻の「マッドメン-諸星大二郎作品集」(A5版。「ロトパゴイの難船」「砂の巨人」「桃源記」を併録)という分厚い単行本も出版されていた事があります。 現在「桃源記」は、「諸星大二郎自選短編集・彼方より」に選出されています。「ロトパゴイの難船」は、光文社コミック叢書SIGNAL「巨人譚」で読むことができる。「砂の巨人」は、「彼方より」「巨人譚」の両方に入ってます。
18 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これで落ち着いた,
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レビュー対象商品: MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL) (単行本(ソフトカバー))
久しぶりにこのシリーズを通読し、十分に堪能した。今回の編集は、最終版と称するだけあって、収まりの良い落ち着いた感じになったと思う。いつもながら諸星の、現実と虚構、伝説と創作のミックス具合に感動する。つくづく、この人は自由な精神の持ち主であると感じる。作中に時折ぽっかりと暗黒の口を開ける「異界」あの壮大な世界はまるごと作者の中にあり、そこから、流れつく悪霊の仮面のように、作品も流れつくのでは…と思わせられてしまう。まあ、作品はこつこつと造られるのだろうが、彼の内なる世界は唯一無二のものであり、まさしく「異界」の名にふさわしいと思う。
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