日本で初めて行われたロック・フェスとは何か? 美術家・木村英輝(キーヤン)の手がけたMOJO WESTである。村八分の初代マネージャーとしても知られるキーヤン。日本の真のロック伝説は京都から始まった。それにしても全頁なんとも読みづらいデザイン。全編がフリーハンドのコラージュブックのような様相を呈しているこの本。このデザインはキーヤンの“バッドデザイン”というセンスによるもの。バッドデザインはキーヤンが1960年代後半に提唱したもので、通産省が制定した「グッドデザイン商品制度」のカウンターだった。戦後、あらゆるものが大量生産され、消費されてゆく時代になり、画一化された大量生産しやすいかたちを国も推奨し始めたことに対する抵抗のデザイン。いまみるとただの手抜きのようなデザインにしか見えないが、この伝説のバッドデザインを再びキーヤンが試みた作品ということで私はこの本に価値を感じた。ちなみに彼のバッドデザインのセンスが神のように爆発している本が、同じ第三書館から1980年に出版された「ザ・暴走族」。「ザ・暴走族」は最近再評価の動きが強まって、相当なプレミア価格がついています。