怪獣をSF的に考察した連作小説.
山本氏らしく,引用文献が豊富で
世界各地の神話や伝承からストーリーを組み立てていて
なかなか巧みな仕上がりである.
また,怪獣を「気象災害」と位置づけるアイディアも面白い.
単に怪獣の存在をうんちくを並べてもっともらしく理論武装しただけでなく,
それに対して人間がどう対応するか,という点もよく練られている.
この辺がハードSFらしい部分である.
ストーリーは「気特対」のハードな公務員の日常をイントロにして
最終話の大きな陰謀に迫っていく.
キャラもよく立っていて,ややマンガ的なところは
特撮モノを意識した意図的な演出なのだろう.
ただ,残念なことに,筆力が今ひとつ.
例えば,セリフをとっても,少々ステレオタイプな印象は否めない.
この点を星1つ減点.