前作から2年強のインターバルをはさみドロップされた今作。
その時間に伴うだけの、アグレッシブな作品を彼らは届けてくれた。
今作の制作に当たって、Kjはインタビューで「ミクスチャーサウンド、ラウドロックに回帰して、攻める」
と言っていたが、まさしくその色合いがストレートに出た作品になった。
初っ端のイントロから、以前を思わせる仰々しいオーケストラサンプリングから、このアルバムは幕を開ける。
そう、このサンプリングネタはDJボッツの得意技だ。僕は、この時点で自然と笑みがこぼれてしまった。
そのまま、ハードロック風の単音リフとリズム隊が絡むトラックへなだれ込み、2曲目のランページへと突入する。
ランページは6〜8枚目のラテン風リズムとラウドなギターサウンド、アグレッシブなボーカルが絡むナンバーだ。
ただ、メロディが明るいので、そこがよくあるミクスチャーと違うこのバンド特有の色を伝えてくれる。
いわゆるミクスチャーサウンドがストレートに出たのがソーシャブル・デストラクションやスカイイズリミットだろう。
ここでは、2000年代初頭に聞かれたようなラウドなミクスチャーを展開している。
ただ、ビートがドラムンベースだったりするので、この辺りもハーヴェストでの流れをしっかりと活かしている。
5、6、7の3曲はいわゆるDragon Ash流ポップナンバーがずらっと並ぶ。
個人的にハワイアン風のイントロが入っていて、ラウドなギターとスクラッチが絡む8のエコノミークラスがベスト。
どことなく叙情性のある作風が昔の彼らを思わせる。
8のレベル、9のビートサーフは初期のハードコアパンクとラップを入り混ぜたヘヴィなナンバー。
まあタイトルからしてレベル(反抗)ですからね(笑)。
ビースティボーイズ風のハードコアパンク+ラップは、昔の彼らの得意技でもある。
それを30を越えたバンドがやるというところが憎い。かっこいい。
ビートサーフはその名の通りサーフロック風のリフとビートが使われている。
10のファイヤソングも、DA流のポップナンバー。
サウンド的には繋がりサンセットとも近い感覚だが、歌詞に注目して聞くと更に感動が増す。
11のスラッシュは今回のアルバムで最もヘヴィなナンバーだ。
タイトル通り、ギターヒーローのスラッシュを彷彿させるラウドなギターと
かつてのkjのキレのあるラップと攻め込むようなラップが聞き手の心にダイレクトに響く。
最後に賛美歌のような展開へと変わる瞬間に、グッときた。是非、体感して欲しい。
12のロックバンドは同じジャンルで共に闘ってきた、サトシ、koji zero threeとともにアルバムの最後を締めくくる。
ミクスチャーというジャンルで闘ってき少年が青年に変わり、一人の男として立ち上がっていくさまを
音とリリックで描き出す。ロックバンドの栄枯盛衰と人生の浮き沈みをリンクさせながら、それでも俺たちはロックバンドをやっていく
というメッセージにとても胸を打たれる。kjはこの歌の中であのブルーハーツの名題をこっそり忍ばせている。そう、未来は僕らの手の中。
12曲とも、ミクスチャーという大きな主軸の中きっちりとそれぞれ良さを発揮しており、今までのDragon Ashの中でも最もまとまっているアルバムだ。
かつての彼らが好きだった人、昔も今も彼らをを愛している人、そしてこれからロックを聞こうとしている全ての若者にこのアルバムを推薦したい。
個人的に2010年のベストです。