「このミステリーがすごい!2000年版」のベスト10に入った短編集。ミステリーとは少し違うような気がするが、不思議な話の数々です。「眠りの海」はある男性と、一人の少年の出会いの話。「祈灯」幽霊ちゃんというあだ名を持つ女性の話。高いところから夜の街を見下ろす時私は何を思うだろう、そんなことを思った話。「蝉の証」夏の暑い中うるさく鳴き続ける蝉を少し好きになれた話。「瑠璃」瑠璃色の目した瑠子という名の少女といとこの男の子の切ない恋の話。「彼の棲む場所」完璧な人物の中のもう一つの彼に出合った話。私はしいて言えば「祈灯」と「蝉の証」が好きです。どれも夏の終わりに読みたくなる、切なさともの悲しさを持った話です。映画やドラマでは決して表せない、小説でなければ味わえない透明感を持ったストーリーの数々です。