某MS社がよく使う「新たなエクスペリエンス」だとか「新しいユーザー体験」などという
謳い文句は、このTrackIRのような製品にこそ使われるべきでしょう。
この製品は頭部の動きを検出してゲーム内に反映させるヘッドトラッキングデバイスの
ひとつで、主にFPSやフライトシミュレータ、ドライブゲームなど主観視点のゲームに使い
ます。いわゆるヘッドマウントディスプレイほど大げさなものではなく、反射板の付いた
小振りなフレームを帽子やバイザーなどのツバ部分に取り付けるだけで手軽に6軸ヘッド
トラッキングを実現します。
既存のディスプレイをそのまま利用出来る反面、当然ディスプレイ自体は動かないので
ゲーム内で後ろを振り返るような場合にはディスプレイを横目で見ることになるのが欠点
ですが、頭部の動きはゲーム内では増幅して反映されるので実際に頭を大きく動かす必要
はなく、脳内でシナプス結合(?)が急速に行なわれるのかどういうわけかギャップや
違和感もほとんどありません。また、動作の移動量や反応速度、加速度を調整できるのは
もちろん、正面を向いている間のちょっとした頭の動きには反応しないようスナップ(吸着)
するか否かなど細かい項目も調整でき、ゲームごとに自分に合った動作にカスタマイズする
ことも可能です。
個人的にはフライトシミュレータをプレイする時の必須アイテムとなっていて、特にIL-2
Sturmovik 1946などはもはやこれなしでのプレイはあり得ず、利用しないで画面を見ると
ギプスで首を固定されているかのような歯痒さすら感じます。またMicrosoft Flight Simu-
lator 2004〜Xなど6軸動作に対応したシミュレータでは頭部の高さや横の移動も反映する
ため、旅客機の着陸時に見えなくなりがちな滑走路を腰を浮かせて目視する、などという
ことも出来て大変重宝します。さらに、通常は視点操作に割り当てられているテンキーや
ハットスイッチなどがごっそり空くのでその分を新たなワンタッチ・ファンクションキー
として活用できるメリットも大きいです。
慣れるまで酔い易いのと少々高価なのが難点ですが、対応ソフトを1本でも持っていてその
ソフトが大のお気に入りであればそれだけでもこの製品は買う価値があると思います。ソフト
の価値が格段に向上すること請け合いです。
ちなみにAppleのMac ProにインストールしたWindows Vistaでも問題なく動作しています。