こんなに素晴らしい写真家を最近まで知らなかった無知な自分を恥じている。かくの如き神秘的で哲学的深度を有した風景写真がカメラに収められたという事実は奇跡以外の何物でもない。初めてソクーロフ監督の映画を観た時と同じ興奮を覚えてしまった。とにかく一度ご覧になっていただきたい。決してオーバーすぎる賛辞でないことがわかっていただけることだろう。静謐で寂寥さをたたえたランドスケープは、既視感や郷愁といった感覚や、「夢のような」という陳腐な形容を超越して、死後に彼岸の世界への往路で一度だけ見ることができるヴィジョンのように思われる。