これまで知能というものは、たったひとつの指標「IQ」によって示されるものと信じられてきた。しかし、人はそれぞれ異なった能力を持っている。勉強ができる人もいれば、運動の得意な人、音感の良い人もいる。
著者は人間には7つの別個の知能が存在すると提唱している。それは、言語的知能(言葉を扱う)、論理数学的知能(数、記号、図形を扱う)、音楽的知能(リズムと音のパターンを扱う)、身体運動的知能(身体と運動を扱う)、空間的知能(イメージや映像を扱う)、対人的知能(他人とのコミュニケーションを扱う)、内省的知能(自己とその精神的リアリティーという内的側面を扱う)である。知能は単一ではなく、複数あるというのだ。
さらに著者は、この考え方を教育実践の場に応用するためのヒントを示している。読み、書き、計算などの学習というのは著者の目標である「理解のための教育」を達成するための手段でしかない。従来の精神測定学IQ(知能検査によって具体化される数値)はこの先もなくなることはないだろうが、MI理論に基づいて、さまざまな知能を認め、お互いに補い合うことが、教育学の発展にもつながると述べている。数値だけでは測れない人間の可能性を見いだすための、価値ある1冊である。(冴木なお)
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32 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
子供の個性を生かしたい先生にお勧めです,
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
貴重な「多重知能理論」の訳書,
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レビュー対象商品: MI:個性を生かす多重知能の理論 (単行本)
ハワード・ガードナーの「多重知能理論」を紹介した2001年の初の邦訳書。『Frames of mind』(1983年)で提唱された「MI理論」はその後約20年のあいだにアメリカはもとより世界中に広まったが、本書には、その間のさまざまな質問、誤解、教育現場で実践される場合の混乱への回答などが含まれている。また、最初に提唱された7つの知能に加える候補としての「博物的知能」、「霊的知能」、「実存的知能」を提案し、検討を加えている点も重要である。関連する問題として、価値判断を含まない「知能」と、価値判断を含む「道徳性」や「感情」など、ゴールマンの「EI」との比較で錯綜した問題に答えている。ガードナーの研究範囲は、脳損傷の研究、美術教育の認知心理学的研究、リーダーの研究、創造性の研究など多岐にわたるが、それらの仕事の総まとめとしての「MI理論」は、人間の知的な活動の全体を人類の全歴史を通して通覧し、さらに未来の展望までを含む壮大なものである。再三行われるホロコーストへの言及を通して、人間の能力の暗い側面への目配りも欠かさない。さらにクローン技術など、自然科学が人類にもたらした深刻な問題を取り上げ、芸術や人文科学の重要さも主張する。能力間の不当な順位付けを廃し、知能の評価への徹底した慎重な態度など、ガードナーの透徹したヒューマニズムが感じられる。
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ガードナー氏の考えに触れることができる貴重な一冊,
By matsu (青森) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: MI:個性を生かす多重知能の理論 (単行本)
今から20年ほど前、ハーバード大学のハワードガードナー氏が唱えた「マルチプル・インテリジェンス(MI)」という理論。この理論は世界ではすでに多数に認知されている理論である。唱えている内容もすばらしく、個を大切にする今の日本の時代の教育にもマッチしている。しかし、その割には日本での認知度は低い。それは、ガードナー氏の翻訳本が少ないことにも一因がある。この本はガードナー氏が提唱するMI理論について詳しく書かれたものである。この本を読むことで、外国に認知されている教育理論に少しでも触れることができる。今の教育に物足りなさを感じている人は是非読んでほしい一冊である。
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