前作C.B.Jimの発表当時、毎日毎日聴いて初期ブランキーの3部作が終わったと思った。
最高のロックンロールが完結したと思った。
もしもあのアルバムで解散をしていれば美しい終わり方だったのかもしれない。
しかし、彼らはその美しい終わり方などにはまるで無関心に、そのまま「その先」に突き進んだように思ったのが今作。
M1「お前が欲しい」ではジャズテイスト溢れる長いイントロの終りから金切り声を上げるベンジーのギターで幕が上がる。
M2「SWEET MILK SHAKE」ではロカビリー的要素も含みつつ、かなりヘヴィなアレンジで突き進んでどうしようもない昼下がりの妄想を燃え上がらせている。
M3「ORANGE」では抒情的な世界がアコースティックな音色で奏でられて、ちょっと落ち着かせてくれる。
M4「脱落」はちょっと個人的には鬱な世界観で今でも聴くのは辛いかも。
そして問題の2曲
M5「綺麗な首飾り」M6「鉄の月」
このCDが初めて出たのは秋でそろそろ冬の寒さを感じられる頃だった。
寒い風を感じ陰影交る夕焼けを見ながら、この2曲を聴いていると彼らがどうしようもないところまで進んでしまったと感じた。
目の前の冬の情景と曲の世界観がとてもマッチしていた。
M5では様々な「終わり」がテーマであり、それを感じながら目の前にあなたに綺麗な首飾りをあげると歌われる。
M6は「戦争に行きたい」と歌いつつ、サビではどうしようもできない自分の姿にもどかしさを感じているような。
こういう世界観を音や歌で提示したのは2010年現在でも彼らだけだと思う(異論があればコメント下さい)。
現時点での希望と絶望をぐちゃまぜにして、これでもか!というくらい詰め込んだこの2曲は当時の僕を思いっきりぶちのめしてくれた。
それが逆に気持ちよかった。
正直、このアルバムのベンジーの歌詞は何を言いたいのか分からないことが多い。
しかし、何を言いたいのか分かる以前の彼の歌詞より、何が言いたいのか分からない今作の歌詞の方がぐっと胸に突き刺さった。
ミニアルバムだけど彼らの足跡を追う上ではかなり重要な作品だと思う。
聴いてぶちのめされて下さい。