元ハロプロ所属というグループ名の知名度の高さに反して、
「一体どういう音楽をやっているのか」ということについては知らない人も多いのではないでしょうか。
かつてそこそこモー娘。などに嵌っていた私でさえハロプロ全盛期であった頃の楽曲の一部しか知らない始末。
特に最近の楽曲・活動に至ってはよっぽどメロン記念日のファンでなければ知る由もなかったでしょう。
そんなメロン記念日が"私たち死んでないよ"という意味合いの「MELON'S NOT DEAD」という、
錚々たるロックグループとのコラボシングルを経て発表された"メロン記念日ロック化計画アルバム"であります。
アイドル・ロックというジャンルの垣根などどうでもいいようになってくる程に愉快痛快な楽しさが満ち溢れています。
“楽器を持たない至高のロックバンド”という位置づけであるため、泥臭さ・人間臭さのある生々しいロックは存在しない。
あくまでアイドルというスタンスをそのままに、有名ロックバンドによる洗練された各楽曲を彼女たちがアイコンとなって表現しきる。
そのどこにおいても不器用なくらいに彼女たちはストレートに心に迫ってきます。
圧倒的な歌唱力があるわけでもないし、声質や歌いまわしに個性・特徴があるわけでもない、
それでも彼女たちの純粋に音楽を楽しむ歌唱・ロックに立ち向かうエキサイティングな歌唱を聴いていると胸が熱くならずにはいられないです。
加えて今回は楽曲も凄くいいですね。メロン記念日に寄り添った楽曲もあれば、優しさの感じられない強烈な楽曲もあり。
M2・M3といったとにかく青春の初期衝動のようなエネルギッシュなチューンや、
ミドリによるキャッチーさ無縁のカオスティックでドラスティックな演奏とそれに立ち向かうボーカルが何とも言えぬ化学反応を起こす珍曲M4、
THE COLLECTORSによる青春の甘酸っぱさ・爽やかさが詰まった涙腺を刺激するキャッチーなセンチメンタルな胸キュンソングM5
アイドル+ロックという存在で言えばPUFFYやSCANDALなんかんにもアイドル性はあるわけですが、
ここまでのガチアイドルがガチロックに挑戦したというのはかなり異色であったと思いますね。
アイドルヲタ・ロックフリークという一見すると到底相容れそうにない層が交錯するのは非常に面白いです。
斜に構えて見下すのは自由、ただし偏見や見てくれでこの作品を聴かないのはあまりに勿体無さすぎる。
アイドルだからロックはできない?演奏してないからロックじゃない?
それでも彼女らは誰にも負けないくらいに音を楽しんで"音楽"をしているのではないか。
唯一残念なのはこれが彼女らのラストアルバムになってしまったことでしょうか。
むしろこれが形骸化されたジャンルの概念をぶち壊すメロン記念日としての"始まり"であって欲しかった。