本作は清春のセカンドアルバムの全曲を映像化したものですが、単にそれだけにとどまらない作品です。本作の曲順はCDとは全く異なります。「蝶」で始まって、「FAIDIA」で終ります。最初に本作の曲順をみたとき、「「光」で始まって「SLIDER」で終ってこそ『MELLOW』だろう、あれ以外の曲順はありえない」と、不満をもらした僕ですが、本作を観てその不満が間違ったものであることに気付かされました。これはこれでアリなのです。4曲目の「ALSTOROEMERIA」、9曲目の「光」等、CDとは全く異なる位置に配されたこれらの曲たちは全く違って聴こえます。これはもはや、CDの『MELLOW』とは異なる、もうひとつの『MELLOW』だと解釈すべきであり、『MELLOW』を大好きなひとなら本作を観る事でもっと好きになれるでしょう。
あと、本作を観ていて僕が個人的に思ったのは「本当にひとりになったんだな」ということ。本作では土屋公平が参加している「BUNNY SMILE」以外、バックバンドが登場しません。しかも、半分以上の曲ではエキストラすら登場せず、清春のみの映像です。すべての作品において「孤高のカリスマ・清春」を全面に出すことに演出の中心が置かれ、ほとんどの作品がむだな演出のないシンプルなものになっています。狭い部屋でギターを持って歌う清春のみを映した「ROOM」、ギターすら持たずにしっとりと歌う清春のみを追いかけた「影絵」など、シンプルな映像であるにも関わらず圧倒されてしまいます。これとは対照的に、サッズの「ストロベリー」「PORNO STAR」にも通ずる派手な演出がほどこされた「COME HOME」もあり、さまざまな清春を楽しむ事が出来ます。