内容はインパクトがあり,おもしろいと思うが,とにかくボリュームがすごいので読むのが大変と言う率直な感想.500ページを超える記述は,もう少しまとめられるような気がする(300ページ以内?).結構,記述内容に重複しているような話が無くはない?
本著のポイントはいくつがあるが,ハーバードビジネススクールのMBA 教育をここまで正面から批判するのはすごいことだし,ミンツバーグだからできるのだと思う.そこでの主張は,マネジメントを経験しない学生にいくらケーススタディーをやっても本質的なところは学び取れないと言うもの,全くもってその通りだと思った.これに対して MIT スローンは肯定的に対比されている.要は How-to 教育のハーバードMBAプログラムは,研究(応用の利く理論とマネジメントを照らし合わせる学習の進め方)の視点が強い教育に比較して学習が浅くなるとの主張であり,小生も全く同感する.
その他に興味深い点として,日本のマネジメント教育やMBAの考え方も述べられている.日本人にとっての国外MBAの価値は,英語教育と英語を使ったディベートの鍛錬であり,マネジメントを学ぶことは目的でなかったのかもしれない.日本企業の実践するマネジメント教育は優れているとの評価があり,OJT の中での『JOB ROTATION』が中核を無し,個人主義的な米国に比較して有効に機能している可能性が有るかもしれないとの指摘もある.
ミンツバーグが提案するマネジメント教育の構築方法として,本書第9章以降の実践を推奨しており,本質を見失いつつあるMBA教育に一石を投じるものである. これを実践しているのが IMPM(国際マネジメント実務修士課程)であり,ミンツバーグは理想的なマネジメント教育を目指しているとの結論となる.