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「システム同定」関連の書籍は、付録Cの参考文献にもあるように過去に数冊あるが、理論的な言及だけであった。即ち、相良、秋月、中溝、片山共著「システム同定」(計測自動制御学会、1981)、中溝高好著「信号解析とシステム同定」(コロナ社、1988)、片山徹著「システム同定入門」(朝倉書店、1994)などであるが。
実際システム同定アルゴリズムを実現するためには、自分でソフトを作成して実行するしかなかった。本書のように、MATLABというツールがあれば、実に簡便に行なえてしまうのだから、ありがたい。結構基本的な事項から説き起こしており、初心者向けである。
しかし本書には、システム同定理論の系統だった説明がない。つまりシステム同定ツールをBlack Boxとして取扱っている。また用語も本書のみでは閉じていない。MATLABのSystem Identification Toolboxをフル活用し、かつhelpの活用を前提としている。当然のことだがMATLABは必須である。
なお同著者の「制御のための上級システム同定」(東京電機大学出版局、2004年3月)の第II部(11-13章)にはシステム同定理論の系統立った説明がある。
本書でのBlack Boxとしてのシステムの同定法習得のみではなく、White Box化に努めることが重要であると思う。