完全版は各巻12話ずつのようだが、1巻では連続モノが5/12話を占めるのに対し、2巻は連続モノは2/12話であって、つまり、10の短編が入っていることになる。
キートンの魅力の一つが、1話完結の話の多種多様さ。ネタ×ストーリー×オチの組み合わせが無限にすら思えてくる。
そして、↓のように、並べて読むことで、別々と思っていた話が、意外な形でつながったり・対になっていたりすることに気付けるのは、再読の魅力だろう。(特におススメの作品に☆をつけた)
FIRE&ICE:キートンの狂言回し度(脇役度)が高い作品。一言では括れない人の生きざまを見事に描いた最後の一コマが輝る。
薔薇色の人生:オプ&サバイバル武器のマスター&考古学講師という当初のキャラ3拍子な作品だが、この話でその一角が崩れて、失業編に突入
☆屋根の下の巴里:単行本では前の話とこの話が2・3巻で分かれるのだけど、続けて読むと、学者として生きることに悩むキートンというのがより強く感じられて、それ故にキートンの講義での最期の言葉とラストでキートンが言われた言葉の深みが増す。
小さな巨人:この話は、キートンをジェド豪士に置き換えても成り立つ気がした。
ラザーニェ奇憚:この話を読むと、豪士は朴念仁に近いが、キートンは女性あしらいを誠実にする気持ちがあると思える。
☆アレクセイエフからの伝言:この作品はキチンとした作家に、アレンジなしで小説に還元してもらっても十分通用すると思う。しかし、漫画ならではなのが、登場人物の一人をラストまで台詞なしのそれも他人の視点だけで描くところ、それがラストを奥深くしている。
すべての人に花束を:この話とラザーニェ奇譚を一緒に読むと、なかなかにこの親子を味わい深く感じられる。
☆黒い森:「久しぶりの殺しがいのある奴が現れた」以降の怒涛の展開は、短編ながらハード感たっぷり。9頁目のたった一言をヒントにラストにつながるところは、本来の意味とは違うがキートンのサバイバルマスターとしての優秀さの表れ。
昼下がりの大冒険:ラストの一頁前の最後のコマはすっと読むと心に来るところだが、2・3頁を読み返すと、そっちのフォトスタンドも捨てていいの?と思えてしまう。
赤の女:お父さんとは随分違うアプローチをするんだなぁキートンは