キヨシローもお気に入りだった便利な新技術、CD に敬意を表して(?)、その時間枠いっぱいでリリースされた快作(アナログ盤は二枚組になった)。1990年前後のキヨシローは質量ともに何度目かの創作ピークを迎えており、湯水のように溢れ出た名曲の一部がここに収録されている。溢れた分はライブで次々に演奏され、キヨシローは「レコード化は時間がかかりすぎるから、テープ持ち込んでどんどん録音してくれ!」と公言していた。これらの作品の多くはのちに COVERS、コブラの悩み、Baby a Go Go、タイマーズといった形でリリースされた。
さてこの作品だが、ビートルズにたとえればホワイトアルバムのようなものか。十分にポップだが一般的なキャッチーさにはやや欠け、そして名曲揃いといったところからそう感じてしまう。Honey Pie なんて曲もあるし。
野暮を承知で選曲すれば、一番ポップな M2、チャボ入魂の M8、COVERS の萌芽が覗ける M15 あたりが代表的か。ちなみに私がキヨシローの没日に聴いたのは M4 だった。つらいよキヨシロー。