3ピース風の実にシンプルな構成のロックバンドで、懐かしさを感じさせるカントリー調の曲が多い。
テクニックよりも 魂を求める、私好みの構成ではある。
頭の中に残って離れない ポップセンスも最高に心地よい。
だが、特筆すべきは、なんといっても 特徴的な詩の世界だろう。
常に「今」に対する真剣さを求める、そんなメッセージが伝わってくる。
心に感じたことは、思うまま飾らずに声に出す。
見過ごしてしまいそうな小さな気付きを 鋭い感性で切り取る。
ただ…答えは出ることなく、核心の周りをぐるぐると回り続ける…ぐるぐると…
それはまるで 真夏のアスファルトの逃げ水のようだ。
遠くにあるときは漠然でも形が見えるのに、近寄って見るとそこには何も無い。
でも、また遠くに目を向けると、そこには水が見える。
次は本物かもしれない。だから、まだ歩き続けよう……
見えないものに向かって進み続ける。
彼らの歌は、その立ち向かう強さを 力の限りに伝えてくれる。
本作に 収録されているのは7曲。
だが、聴くたびに新しい発見があり、決して短さは感じさせない。
中でも、『ムーンパレス』は、名曲中の名曲!
特に、今年に進学、就職で一人暮らしを始めた人に聴いて欲しい。
初心忘れることなかれ。
その 彼らからのメッセージは、あなたが新たな夢に向かって歩いていく中、きっと何度も挫折から救ってくれるだろう。
私の、この時期になると聴きたくなる曲 No.1である。
今の自分が見えず、先行きに不安を感じている人にこそ、ぜひ触れて欲しい一枚である。