ライダーズのメンバーが好きだと思われるビートルズは“ラバーソウル”で音楽的に偉大な飛躍を成し遂げました。またラバーソウルに影響をうけたビーチボーイズのブライアン・ウィルソンは
ポップ史上最高の金字塔といわれる“ペットサウンズ”を創作しました。偉大なアーティストやグループは音楽的に、とんでもなく飛躍する瞬間があると思います。
やや不運な運命をたどりましたが、この“マニアマニエラ”というアルバムこそ、ムーンライダーズが最初に大きく飛躍した傑作アルバムだと思います。
“工場”とか“機械”“労働者”をテーマにしたコンセプトアルバムです。誰も思いつかなかったテーマです。鈴木兄弟の地元である羽田あたりの風景が目に浮かびます。
当時の最新鋭のコンピュータを導入し丁寧につなげられていて、違和感なく聴けます。
このアルバムはペットサウンズ同様、難解な作品ではありません。しかし、“親しみやすいが近寄りがたい”雰囲気があります。
工場や労働者をテーマにしたにもかかわらず、冒頭とラストの曲に“薔薇がなくちゃ生きていけない”という、名フレーズが、心に突き刺さります。
もちろん、一曲も捨て曲はありません。紛れもなく、日本ロック史に残る金字塔です。