ニコニコ動画系のアーティストが続々とデビューする中、YouTubeで培養された才能がとうとうデビューした。
KORGの機材を余すところなく使用し、ネット上にアップしていった動画の再生数は700万を超えるという。まさに日本のみならずワールドワイドな活躍をするクリエイターといえる。
このM4TCはアーティスト本人が各所でインタビューで答えているとおり、著作権を本人が保持しつつも、クリエイティブコモンズライセンスの元、改変から販売までを自由とするという、先進的な思想で市場に打ち出し、業界や音楽人に問題提起をする作品でもある。
おそらくレコード会社が絡んでいながらこのような施策をするのは世界的に見ても珍しいのではないだろうか?
作品の中身も面白く、インストが中心となっているが、楽曲のクオリティの高さに驚かされる。ゲームミュージック的な要素がどこかにありつつも、緊迫感あふれる展開が心地よい陶酔感を与えてくれる。
そしてほぼAbletonLiveのみで作られたというトラックは、その音の作り方をM4TCのサイトにおいて実際のパラメーターなどが見れるようなデータとして配布されているという。
また、フューチャリングアーティストとして参加している一十三十一歌唱のImadakeは、このトラックのみシングルでカットしても十分に通用するであろう一作。
リミックスもそれぞれのクリエイターが持ち味を醸し出している。それぞれ1曲ずつの3トラック分収録されているが、それらを入れ込んでこのアルバムは完成しているという、アプローチにも気付いたときには驚かされた。(簡単に言えば、CDに収録されているリミックスはM4TCプロジェクトの言わば模範解答なのである。)
ロジカルな演出と音が詰まったすばらしい作品。Denkitribeの今後の活躍に注目したい。