Joss Stoneの5作目となる"LP1"。
前作から確執が続いていたEMIから離れ、自らのレーベルStone’d Recordsを立ち上げた上でのリリース。
EurythmicsのDave Stewartをプロデューサーに迎え、わずか6日間という非常に短期間でこの作品は創り上げられた。
そして一番の特徴として、このアルバムはこれまでのようなソウルアルバムではなく、ロックアルバムだ。
彼女の口からもよくJanis Joplinの名前が挙がっているし、Mick Jaggerの新しく結成したバンドSuperheavyに参加したりと、ロック系アーティストとの結びつきも強くなっている故に、しばらくはこういったロック路線が続くのかな?という気もしている。
個人的な感想を言えば、僕自身Joss Stoneにソウルを歌うイメージを持ちすぎている所為なのか、初めてこの音源を聴いた時はとても違和感を感じてしまったというのはある。
これまでのクオリティの高い音源や歌唱を聴いていると、今作の荒さが目立つ仕上がりに満足出来ない所も正直あった。
だけど一つ感じた事はある。
これまでの彼女の歌に関して言えば、とても巧くセンスの良いシンガーだったという感想になるのだが、思い返してみれば、今作のように相手の気持ちに直接訴えかけるような歌はあまりなかったのかなとも思った。
そういう意味でも、これまで彼女を制限してきた「白人のソウルシンガー」という枠を破る新たな意欲作のようにも感じた。
内容については、1曲目のアコースティックギターメインの爽やかな"Newborn"から一気に雰囲気が変化しファンクっぽい"Karma"に流れていく構成は凄くクール。
ちょっとソウルっぽい雰囲気が残るシングルカットされた"Somehow"は耳残りの良いキャッチーで心地良い楽曲。
個人的に好きなのがアルバム中盤の"Drive All Night"。
全体的に熱いナンバーが続くゆえに、こういったしっとりとした楽曲がとても落ち着く。
なかなかどの曲も良い個性がある良曲ばかりで、アルバムを通して飽きずに楽しめる。
正直このアルバムはソウルの要素はない。
これまでそういった要素を好んで聴いてきたリスナーにとっては退屈な作品なのかもしれない。
だが間違いなくこのアルバムにはJossの魂(ソウル)は篭っているように感じる。