Black Dagger Brotherfoodシリーズの4作目。人間なのにBrother達と一緒に生活するはめになった元刑事のButchとヴァンパイアのお嬢様Marrissaとの恋が描かれます。一作目でお互い一目惚れした二人ですが、その後なかなか進展せず、どうなるのかと気にかかってはいたものの、正直ButchよりVishousやPhuryの話のほうが先でしょ?と大した期待もせずに読んでみたら…。やられました。さすが、ウォード。こう来たか、って感じです。
ちょっと危ない弟(これを読むまで兄だと思っていました)Haversのせいで二人の距離が縮まない中、怪我をしたButchがHavers病院に運び込まれ、Marrissaが看病に当たったことから、二人の中は急速に進展。でもButchは人間としてヴァンパイアのMarrissaと対等になれない事を気にし、MarrissaはButchの血への誘惑に苦しみます(おー、何だかトワイライトみたいだわ)。…と、書きたかっただけで、二人には他にも深刻な問題が山積み。Butchを恋愛対象として見ているVishousも問題の一つ、Marrissaに好意を寄せButchに敵対心を燃やすRehvengeもこの作品では明らかにおじゃま虫。
全体を通じてButchが葛藤と戦いながらもMarrissaをやさしく見守る姿勢にキュンときます。そしてVishousはただただせつない。早く彼を幸せにしてあげて、と誰もが願うはず。Marrissaの自分勝手さに苛つく所もありますが、彼女が育った環境や立場を考えると同情を覚えずにいられません。何よりも「箱入り娘をやめて自立しよう」と必死に努力している姿にはとても好感が持てました。
最初からかなりデンジャラスな展開にも関わらず、所々に設けられたユーモラスなシーンが効いています。後半に出てくるものすごくシリアスなのに、場面を想像すると面白くて仕方ない所とか。ただ、サイドストーリーの比重がどんどん重くなっていく点は、賛否両論ですが、これからもこのシリーズを読み続けていくなら、ある程度覚悟しておいたほうがいいかも。