Black Dagger Brotherfoodシリーズの第6巻。Brotherの中で一番温厚で真面目な伊達男、Phuryが主役です。ですが、第3巻でBellaへの恋が破れたあたりから、Red smoke依存が益々激しくなった彼は頭の中の悪魔に翻弄され、その異常な行動はすでにRhageを始め、周りのBrother達にも気付かれている状態。ヒーロー願望が強い彼は、自分の弱みを決して表に出そうとはせず、そのためにどんどん深みにはまっていくばかり。双子の弟Zsadistも戦力不足のBrotherfoodの中でハードスケジュールをこなしながら、妊娠中のBellaの容体を気遣いつつ兄への不安に脅えている。
前作でPhuryはVの代わりにPrimaleに志願し、ChosenのCormiaを連れて館に戻りますが、自分に何の希望も見いだせなくなっている彼は、素直に愛情を表現することができません。一方Cormiaは全く初めての世界で唯一頼れるPhuryの優柔不断な様子に戸惑うばかり。そんな中、LesserにVampire市民たちの情報が漏れ、今まで最大の危機が訪れます。
全体のストーリーはこれまで同様、巧みな文章とスピード感、サブカルチャーが効いたテンポのいい会話などでエンターテイメントとしては申し分なく、他の作品同様一気に読んでしまいます。Lesserとの戦いや、スリリングな展開にも目が離せない。ただ唯一残念なのが、肝心の主役Phuryの重要な萌えポイントになるはずのラブシーンが何だか微妙。そりゃね、唯一「未体験」のbrotherなんだから仕方ないし、ストーリーの展開上、この作品では彼はこのような状態じゃなければ話が進まないのもわかります。それでも、ロマンス小説としてはもっと魅力を引きだして欲しかった。この次に発行されたInsider's Guideではカットされたエピローグが読めますが、Phuryファンはきっとこの作品で読みたかったと思います。サイドストーリーである変身後のJohnの動向にかなりのページ数が割かれている点も若干納得できないかな(Johnは大好きですが)。
このレビューを書いている時点で、Lover Mine(8作目Johnが主役の巻)まで読んでいますが、何度読み返しても、やっぱり星5つはあげられません。ごめんなさい、ウォード様。