2年前のデビュー作「
Fearless」でいきなりグラミーに複数部門ノミネートされたりと早くも脚光を浴びたJazmine Sullivan。し
かし彼女が持つオールド・スクール風情のハスキー声はどちらかというと玄人受けする硬派な印象があり、ここまでメジャー
な存在になったのは前作の総合プロデューサーMissy Elliottの後押しなど話題性の部分も大きかったと思う。それだけにメ
ジャー・レーベルから2枚目がリリースされるか心配したが、相変わらず存在感抜群の歌を聴かせる2作目が発表された。
元々優秀なソングライターでもあるJazmineのこと、自らの骨太な声が映えるメロディ造りに長けており、どの曲も強く印象に
残る。本作も全11曲40分と驚く程潔い造りだが、その中の音楽の密度は相当濃いと言ってよい。音創りは古びたピアノの音
やチープなシンセサイザー音を織り交ぜたりと、何処か懐かしさを感じさせるプロダクションを意図的に施した曲が多い。しか
し過激な音が溢れている現在本作の様なサウンドは逆に新鮮ささえ感じ、何より彼女の声質に合っている。
「Holding You Down (Goin' in Circles)」冒頭フレーズに既聴感を覚えた方は往年のR&Bファンだろう。Mary.J.Bligeが94年に
発表したクラシック「Be Happy」の一部分をJazmineがそのまま歌っている。その後続く哀愁ある歌唱もどこか当時のMaryを
彷彿させるが、まだ23歳というのに貫録十分の歌唱には驚かされる。80年代を思わせるシンセ・ポップ仕様の「Good Enough
」では誠実さを欠く相手への不満を訴える毅然とした女性を演じ、Luther Vandrossの「Jump To It」から一部を拝借した「Don't
Make Me Wait」での懐かしいダンス・ビートに乗せ高音で囁くような歌い方は彼女から新たな魅力を引き出す。The Rootsの
?uestloveの叩きだす鋭いドラム・ビートにラップの如く淡々と自らの犯した罪を乗せ、フック部分で神からの救いを求める叫び
との対照が心に残る「Redemption」。生音基調のサウンドに乗せて歌われるゴージャスな3拍子バラード「Excuse Me」は黄金
期のソウル・レコードを聴いている様な幸福感に満たされる。話題を呼ぶだろうNe-Yoとのデュエット「U Get on My Nerves」で
さえ、浮ついた印象は微塵も受けない実に堂々とした歌いっぷり。
早くも2作目にして大物のオーラを漂わせ始める彼女の凄味を堪能できる一枚だ。