九歳で孤児となった女の子の、孤児院での日々を描いた絵物語。
と書けばなんだかクラーイ感じですが、そうではありません。
と書けば、それでも元気に明るく生きる女の子の物語のようですが、そうではありません。
「女の子には おとうさんとおかあさんが もちろんいましたが 女の子が九歳の時にでていってしまいました。」と始まり、続けて、ページを繰ると「女の子は、きれいではありませんでした」ときます。「なんという展開だ」とびっくり。そしてそれは訂正されることもなく、彼女が孤独になっていく様が実に淡々と語られていきます。
それをどう語りどう描いていくかに、この絵本は力を注いでいて、これはもう実際に見てもらうしかないのですが、ページを繰っていくしかない本というメディアの面白さも残酷さも総動員して、女の子の孤独を見せていくのです。
妙な言い方になりますが、だからこそ、この絵本は明るい。少なくとも作者は、この女の子を愛していて、一生懸命描いていることが伝わりますから。
そうして私も彼女が好きになる。