一見,ファン垂涎ものの豪華な企画盤なのだが・・・・何故か手放しで喜べない。そもそもバラードって歌詞で聴くもの。「ええ歌やなぁ」ってひたれるのは歌詞が日本語だからという点が大きい。それを英訳されちゃってもね。第一,K-CI&JOJOってR&B界のトップ・シンガー。「昔の名前で出ています」的なカバー集出すほど老け込む歳でもない。これがサム・クックとか本場のR&B先駆者への敬愛を表したトリビュート盤とでもなれば話は別だが。絢香「I Believe」を歌わせるあたり企画が安直と言われてもやむを得ないか
とはいえ,さすがはK-CI&JOJO。名曲に新たな息吹を吹き込んだ好演も随所に顔を出す。コブクロ「蕾」や平井堅「瞳をとじて」といったピュアなバラードを,ディープな歌声でエモーショナルに歌い上げ,温もりのある,より味わい深いナンバーに昇華させたK-CI。ドリカム「Winter Song」ではJOJOの包み込むようなコーラスが感傷的。そしてゴスペラーズ「ひとり」までも2人で完璧に歌い上げてしまうのだから凄い! 多重録音はしているのだろうけど,兄弟ならではの絶妙のハーモニーは,ヴォーカル・グループまでも凌ぐということか。特にJOJOのコーラス・パートが見事だ。JOJOは中島美嘉「雪の華」でも好演。メロウで感傷的なヴォーカルを披露している。EXHILE「ただ・・・逢いたくて」はアコースティック・バージョンの方がいい。「All My Life」ほどの名曲ではないが,オリジナル2曲もソウル・マナーをわきまえたしなやかなナンバーに仕上がっており,心地良い。
というわけで,主役のK-CI&JOJOが孤軍奮闘している甲斐あって聴きどころはそれなりにあるが,選曲の安直さが惜しい1枚。