最新作『アサイラム』で4枚連続、全米アルバム・チャート初登場1位を記録したディスターブドのBサイド・コレクション・アルバム。
Bサイドとは言いつつも、オリジナル・アルバム並みに楽曲の粒はそろっている。アウト・トラックゆえに、既発アルバムの収録曲と似通ったパートが聞こえる楽曲もあるが、全編、硬派なディスターブド流メタルが貫かれている点は流石。
日本盤に限って言えば『ザ・シックネス』『インデストラクティブル』『アサイラム』、それぞれに収録されたボーナス・トラックが各1曲ずつ。その他の楽曲は外国盤ボーナス・トラックやサウンド・トラック、トリビュート・アルバムへの提供曲、そして未発表曲と、熱心なファン以外は初めて聴く楽曲がほとんどだろう。
録音時期までは明確に分からないので推測になるが、恐らく脱退したFUZZのベースが残された3曲が2ndまで。残りのジョニー・Kがプロデュースしている楽曲5曲が3rd制作時のもの。(ここでも3rd以降にギター・ソロが導入されている。)そして、ダン・ドネガンを中心としたセルフ・プロデュースの楽曲8曲が4th、5th制作時のものだろう。
新旧の楽曲が入り交じっても、全く違和感のない楽曲群は、彼らの音楽性のブレのなさを証明している。アルバムごとに変わってもおかしくない音質や音量でさえ、リミックスやリマスターしたようにほとんど変わらず、わずかにセルフ・プロデュースの前後でギターの音作りが変わるのみ。全16曲、オリジナル・アルバム同様に濃密なディスターブド流メタルが楽しめる。
このアルバム発表後、しばらく休業期間に入るようだが、しっかり充電して、またグレイトな子どもたちをたくさん産み出してほしい。
ちなみに、ラスト2曲はフェイス・ノー・モアとジューダス・プリーストのカバー曲。それぞれトリビュート・アルバムへの提供曲だが、前者はデイヴィッド・ドレイマンのマイク・パットンそのまんまのVoが微笑ましく、後者は「ペインキラー」(1990年『ペインキラー』)のドラム・イントロ後に始まる「リヴィング・アフター・ミッドナイト」(1980年『ブリティッシュ・スティール』)…10年間の激しい落差に思わずズッコケそうになった。