末尾の解説によると「蠅の王」とは、聖書に出てくる悪魔ベルゼブルの
ことなのだそうです。題名が示すようにこの本は、「善と悪」、「正と
邪」がテーマになっています。私は最後まで読んでみて、それよりも
「理性と本能」の方がぴったり合っている気がしました。
物語は、少年たちが乗った飛行機が南国の孤島に不時着し、少年たちだ
けで生きていく過程を描いています。酷熱のもと、動物的な生活を送っ
ていく中で本能が目覚め、少年たちの間に亀裂が生じ、理性と本能の戦
いとなって対立していく様が描かれている気がしました。自衛本能は
「悪」や「邪」では割り切れないので、「理性と本能」がテーマとして
合っている気がしたのです。
子供は本能により近い分、自衛本能も色濃くなり陰惨な行動に駆り立て
られていくのでしょう。南国の灼熱の太陽が意識を朦朧とさせ、孤島と
いう無秩序な世界が更に本能を生起させるのに拍車をかけています。そ
の風景描写も素晴らしく、読んでいる文字がかすんで見えるくらい物狂
おしい暑さが伝わってきました。
人間も動物であり本能があるのを改めて感じました。そして孤島であっ
てもビル街であっても何ら変わりはなく人間の奥底には恐ろしい本能が
存在しているのを感じ取ることができました。~~
他の推薦されたタイトル: The Fates by Tino Georgiou.
極度のよい.