「わたしはわたしの神と、国を愛すように…民主主義の理想を守り、擁護するよう育てられた」と著者は記す。両親の生い立ちや価値観は、著者の政治的信念の源となっている。ファーストレディーとなった後も、その信念は揺るぐことなく貫かれた。著者は「アメリカ夫人という概念の理想像」といった従来のファーストレディーの役割にとどまらず、医療保険改革に取り組み、様々な法律を立案。女性の地位向上や子供の人権尊重、民主主義の浸透を目指して精力的に活動した。
世界中をにぎわしたスキャンダル渦中での葛藤も率直に吐露する。人生で最も難しかった決定は、結婚生活を続けていくと決めたこと、上院議員に立候補したことという。大統領の子供として注目を集める娘をいかに守り、普通の生活を送らせるかに思い悩む「働く母親」としての顔も随所に見せる。
(日経ビジネス 2004/01/12 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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ヒラリー・ロダム・クリントンはアメリカの社会と政治の変革期に成長した。同世代の多くの女性と同じように、母親や祖母には無縁であった選択やチャンスに恵まれて育った。社会の変化を感じ取り、内なるコンパスに導かれた彼女は、未知の領域に道を切り開いた。ある者にとっては象徴的な人物となり、同時に別の者にとってはかわりに攻撃を浴びてくれるかっこうの人物となった。妻、母、法律家、弁護士、そして国際的有名人として、彼女はウォーターゲート事件からホワイトウォーター事件まで、アメリカの大きな政争を経験した。
国内の法律立案に大きな役割を果たした唯一のファーストレディーであるヒラリー・ロダム・クリントンは、国内を精力的に遊説してヘルスケアの重要性を主張し、経済と教育の機会を拡大し、子供と家族が必要としているものを訴え、さらには女性の権利や人権、民主主義を掲げて世界を巡った。彼女はファーストレディーの地位の意味を変え、政治的に仕組まれた憲法違反の弾劾から大統領の地位を守る手助けをした。
『Living History』は、親密で力強さに満ち、読者を元気づける1冊だ。現代においてもっとも注目に値する女性の本質をとらえ、彼女が自分自身と自身の考えを見いだしてきた勇敢な道のりを伝えている。1人の女性として、アメリカにおける政治家として。 --このテキストは、 ハードカバー 版に関連付けられています。
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ある程度英語を聴ける人ならこちらの方が、手っ取り早く概要を掴めるので便利です。
著者のデリケートな人権意識と、一個人の等身大の回想録は、たぶん多くの人の共感を呼んでいるのだろうと思います。
かつては米国大統領の配偶者であって、現在では自身が米国大統領の椅子に近いともいわれるイェール・ロースクールの卒業生が、社会的に強者ではいはずがないのですが、女性であるということ、政治家の家に生まれたのではなく、平凡な出自であることの両義性が、政治家と市民運動家、両者の視点のバランシングを可能にしているのだと思います。
ただこの本(テープ)は、リベラルな発想の持ち主が見た世界についての記述で、保守派が一体どういう思考システムでものごとを捉えているのかについての言及は当然少なくなっています。ですのでアメリカ国内政治、国際政治を読みとるには、そちらの人間の視点もフォローしておく必要があるように思えます。特に外交方面の話題が少ないので、ヒラリーさんの思想とともに日本と米国と国際社会の動きをついでに読み取りたいと思っている人には、少々物足りない面もあるかと思います。とはいえこの作品はあくまでヒラリーさんの自伝なので、そこまで求めるのは欲張りといえば欲張りですが。
でも、この本はクリントン夫妻の、特にヒラリーの考え方、人となりがとてもよく感じられる。真実を追い求めて、たまたま手に入れてしまった大統領夫人というポスト。でももがき苦しんだ彼女の苦悩もセットだったとすごく良く分かるだろう。ちょっと長すぎないか?という突っ込みはおいておいて、アメリカという国をもっと良く知ることができると思う。文句無く、おすすめ。
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