ミッシェル・ペトルチアーニは私の大好きなピアニストの一人です。生まれながらに骨の病気からまるで子供のような容姿ですが、そのピアノはすばらしいの一語に尽きます。まさにピアノを弾くためにこの世に生を受けてきたと言ってもよいでしょう。十代で頭角を現し、あまり長生きはできないであろうと言われながらもかなりの作品を残してくれました。どれもすばらしいのですが、特に初期の頃のものは瑞々しい感性がほとばしり、秀作揃いです。その中でもパレ・ダニエルセン、エリオット・ジグモンドからなるトリオがすばらしいです。作品としてはこの一枚だけですが、まだ未公開音源があるなら、もっと聞きたいトリオです。よくペトルチアーニはエバンス直系のという評価をされますが、私はそのピアノスタイルにエバンスの影響を感じません。和声感もリズム感もフレーズも独自のスタイルを築き上げていると思います。一曲目にエバンスもよく演奏した「ナルディス」を演奏していますが、小節感のない独特なタイム感覚を持ったその演奏はまさに名演奏にふさわしいすばらしいものです。このトリオはもっと評価されてもよかったのではと思うのは私だけでしょうか。新宿ピットインで見たこのトリオの演奏は涙がでるほどすばらしかったです。