クリス・ボッティのトランペットの魅力はスピード感と清潔さである。今のアメリカのLA地域ではそのイケメンぶりと音楽センスで人気沸騰だそうだ。テレビ出演も数多いと聞く。
大物シンガー、スティングに師事して地道に腕を磨いてきたクリス。2006年制作の本作品はジャズ色が濃く、バックにオーケストラを起用した豪華なライブ。クリスがより大人へ脱皮したことが伺え、ショーマンとしての成長も著しい。スムーズジャズの頂点を極めた作品であろう。
オープニング曲は「サムワン・トゥ・ウオッチ・オーバー・ミー」。オーケストラの前奏に続いて、渋いスーツ姿のクリスのトランペットの演奏。良いライブは出だしが肝心。歌手のゲストは例によってスティングのほかグラディス・ナイト、ポーラ・コールなどベテランぞろい。現代のシャズで何故か人気のあるスタンダード「ザ・ルック・オブ・ラブ」のコンポーザー、バート・バカラックが出てきて、ピアノでクリスと共演する場面は圧巻である。
スティングのボーカルの「マイ・ファニー・バレンタイン」に見るクリスのきめ細かな演奏ぶりには驚かされる。使用しているトランペットは標準型で正攻法。ミュートの使い方も非常に上手い。
クリスの音楽性が高いのはもちろんだが、あくまでも映像とともに楽しむべきだと思う。2002年に発売されたDVD(リージョン1)は若さを強調したロック仕立てだが、本作(オールリージョン)はクリスのアーチストとしての未来を暗示させる内容。