Incognitoのライブは楽しい。彼らの音楽をスタジオテイクとライブで比較すると、前者が「格好いい」のに対して後者はとにかく「楽しめる」のがポイントだ。
そして、このビデオにはその楽しさが詰まっている。一度でもライブを体験したことのある人は、このビデオを見ながら きっとニヤニヤしてしまうはずだ。
彼らのライブアルバムやライブビデオはすでにいくつかリリースされているが、これは30周年を記念した、しかも本拠地ロンドンでのものだけあって、かつてない完成度を誇っている。
ボーカル、キーボード、ドラムス、パーカッションと新旧の豪華メンバーが渾身のパフォーマンスを見せる。
ブラスセクション、ベースも全体を通して実力を遺憾なく発揮し、またストリングスの参加はこのライブを最高に豪華なものにしている。
そしてこれらが破綻なくパフォーマンスされたことには驚くほか無い (Blueyも最後に、エンジニアの手腕を称えている)。
なお、本ディスクに収録されている音声では DTS音声の出来がかなりクリアで良い。
LPCM 2chの音質に不満がある場合には、DTSを2chにミックスダウンして聞くのも手だ (曲によってはボーカルが若干後ろに隠れるが)。
楽曲をみると、どれも豪華メンバーを生かした贅沢な演奏となっていて甲乙つけがたいが、敢えて三曲挙げるなら:
「Centre Of The Sun」シャープな印象のアルバムテイクに対し、情感豊かな歌唱と演奏。
「Expresso Madureira」Blueyが Incognitoのルーツだと語る、Brazilian Funkバンド Banda Black Rioの曲のカバー。
「I Hear Your Name」Joy Roseの熱唱が素晴らしい。
なお、CDと楽曲は同一だが、CDではほとんどカットされている幕間の MCがすべて聞けるのもビデオの特典である。他にはボーナスの映像トラックが2つ。