1986年、イタリアにてのライヴを収録。ジャコは1984-87年周辺に膨大なライヴ音源を残している。このアルバムはその中の一枚で、パーソナルはジャコ・パストリアス(b)、ビレリ・ラグレーン(g)、トーマス・ベレッツ(ds)というトリオ。オリジナル・ナンバーはTFCK-87562。
このアルバムで面白いのはギターのここでのビレリ・ラグレーンが完全に『ロック・ギタリスト』で、フレージングがジャズにならずにディストーションの効いたロックに終始するところだと思う。1曲目の『Improvisation No.1 / Teen Town』などは何とアドリブの最後のほうでディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』のフレーズが飛び出す。にもかかわらず、一挙にジャコのベースが飛び出してきて、ジャコの世界になる。そのあたりが他のジャコのライヴ・アルバムと違っていて非常に面白いのである。
テクニック的にはギターのビレリ・ラグレーンもドラムのトーマス・ベレッツもジャコの足元にも及ばない不均衡な腕前のトリオであるにも関わらず、ロック・ギターに対抗するジャコのベースが最後まで続いていて、こうなるか、という感じなのだ。ど真ん中のレゲエにも挑戦している。他で聴けないジャコがいるアルバムである。