エレピを導入したのも、ジョー・ザヴィヌルやジョージ・デュークを雇ったのも、「ディレクションズ」を吹き込んだのも、彼の方が先だったのに、なぜかその後、マイルズ・デイヴィスにすっかり水をあけられてしまった、キャンノンボール・アダレイ。
...しかし、「マーシー...」以降のエレクトリック時代に、もっと注目してよいのではないか?
本作は、「イン・ア・サイレント・ウェィ」吹き込みの翌月、ヨーロッパでの二箇所でのライブをまとめたもの。ラジオ音源だと思うが、音質は良好だ。
演奏のほうも、同時期のマイルズのライヴに引けを取るものではない。
ザヴィヌルは、イタリアではアコピ、パリではエレピを中心に弾いているが、アコピのザヴィヌルもすばらしい。一個のピアノ弾きとしても、もっと評価されてしかるべきと思う。彼のピアノ・ソロ・メドレーもフィーチュアされているが、チックやハービーに劣らない、すばらしい内容だ。
「カーニバルの朝」ではめずらしくウォルター・ブッカーのアルコが聞けるが、ウーン、ちょっとイマイチかな。
「ウォーク・トール」「マーシー..」などヒット曲や、当時の新しい吹込みを、ヴィヴィッドに演奏している。
いわゆる「ロスト・クインテット」時代のマイルズ・ファンにも是非耳を傾けて欲しい。