孤高のロックギタリストJeff Beckの最新音源が11月にリリースされました。当初、ネット配信のみということでリアルCD愛好家からは不満の声が上がっていましたが(私もその一人です)、Amazon.comのみがオンデマンド販売をスタート。ただ音源をCD-Rに焼いているだけですが、それだけでもありがたいのです。ただし、iTunes限定配信の動画は入っていません。これは憶測かもしれませんが、しばらく時間をおいてDVD付きバージョンをリリースするという「ちょっと出し戦略」の可能性も否定できません。なにせ「ロニー・スコッツ」で「前科」があったわけですから。
肝心の内容ですが、2010年4月22日、LAにあるグラミーミュージアムで行ったライブ音源(8曲)を収録したもの。親しい友人を集めて行った限定ライブのようです。メンバーは昨年まで行動を共にしていた美少女系ベース奏者Tal Wilkenfeldがソロ活動に専念するということで抜けて、その代わりに美女系ベース奏者Rhonda Smithが加入しています。不勉強で知らなかったのですが、Rhonda SmithさんはあのPrinceのバンドで10年間もバックを務めていたそうですね。そりゃ、度胸が据わっているはずです。ドラムは懐かしのNarada Michael Walden。古くは「Wired」で一緒でしたね。鍵盤は前回に引き続きJason Rebello。
演奏曲は前作「Emotion & Commotion」からの選曲と、「People Get Ready」やお馴染みレノン&マッカートニー「A Day In The Life」。「How High The Moon」という曲は、Nancy HamiltonとMorgan Lewisによる1940年作のオールディーズで、レス・ポールやエラ・フィッツジェラルドなどがカバーしています。私は存じ上げませんでしたが、どうやらブロードウエイ・レビューで歌われたのが初出とか。映像では、珍しくレス・ポールに持ち替えたBeckの姿を臨むことができます。もちろん、これは偉大な先達への敬意を払ってのことだと思われます。
というわけで、ネット配信を中心にしつつオンデマンドCDの並行リリースという販売手法に違和感がないといえば嘘になります。時代の趨勢としては最終的には配信中心になると思いますが、一方でリアルCDを必要とする人への配慮も当然必要だと思います。しかし昔のように出せば売れるという状況ではないことは明らかなので、このようなオンデマンド発売という「変則ワザ」も必要なのでしょう。オンデマンドなら基本的には在庫を抱えるリスクを負うこともありません。しかし、制作費を抑えることが大命題なので、ライナーなども薄いペラペラの紙です。
●Musicians
Jeff Beck / guitar
Rhonda Smith / bass
Narada Michael Walden / drums
Jason Rebello / keyboards
●Numbers
1. Corpus Christi Carol
2. Hammerhead
3. Over The Rainbow
4. Brush With The Blues
5. A Day In The Life
6. Nessun Dorma
7. How High The Moon
8. People Get Ready