(収録内容)
1.Ghanian Village(Moroni)9:40
2.Django(J.Lewis)9:57
3.Where Is Love(L.Bart)6:25
4.I Hear a Rhapsody(Gasparre)11:14
5.Einbahnstrasse(Carter)9:02
6.Vitti Na Crozza(Traditional)7:01
7.Nose Off(Moroni)7:02
8.Jamal(Moroni)12:07
(附属DVDのみ1-8に加え以下の2曲を収録)
9.Set Closer Blues
10.Just an Old Song
Dono Moroni(p)/Marco Panascia(b)/Peter Erskine(ds)
Dado Moroniは1962年生まれ、イタリアのジャズピアニスト兼作曲家。80年代からキャリアを持つベテランでRon Carter、
Oscar Peterson、Hank Jonesまでジャズの歴史そのものと言える巨人達と多数共演歴を持つ。自己名義の作品は芸歴
の長さにしては少な目。自身も彼の作品は初体験、他の方から推薦された作品なのだが本作は最高だ。
本盤は2010年4.10-11日にカリフォルニア州ビバリーヒルズにて行われた、Rising Jazz Stars Foundationにて披露され
たライヴ録音。各曲6〜12分、全70分以上の大ボリュームだが、長さ等微塵も感じさせない熱気と楽しさで満ちている。
まずこのDado自身が創りだすピアノのドライヴ感が凄まじい。バンド内には強力なドラマーPeter Erskineが存在するが、
Peterが創る強烈なビートに負けじとぐいぐいとバンド全体を引っ張っていく力強いタッチ、天性のリズム感はお見事。強い
音圧で鳴らされる哀愁コードが直に心へ響く。この血がたぎる陽性のリズム感と哀愁感はラテン人特有のものかも…と書
くと語弊がありそうだが、演奏が余りに強力なのでなんとなく納得させられてしまう。
一方で決して力一本槍で押し切ることはしない。「I Hear a Rhapsody」で観られるご機嫌なスイング感等ウィットに富んだ
別の表情も聴き逃せない。随所で披露される鮮やかな技巧も楽しめる。
また聴き処なのが、Peter Erskineによる圧巻のドラミング。冒頭「Ghanian Village」の中盤披露されるドラム・ソロ。どす
どすと腹の底まで響く強烈なビートの嵐はぞくぞくと震えが来るスリル感。この感覚を是非多くの方に体験して頂きたい。
彼の良さは、かっちりとした緻密な創りのスタジオ作品よりも臨場感溢れるライヴの形でより鮮明に現れるのかも。演奏
が盛り上がりを見せた際の観客の反応もいちいち熱く、聴き終えた後はスポーツをした後の様な爽快感で満たされるライ
ヴ盤の傑作。親しみやすい作品なので幅広い音楽好きにお薦め出来る。