ファン向けです。まずそれは、絶対に保証します。
少なくともダイナソーJRのアルバムを1枚聴いたことがないと
このアルバムは厳しいと思います。
内容が悪いわけではないのですが、収録されているのは
J・マスシスが他のメンバーを一切伴わず、
ギター1本と歌だけでダイナソーJRの曲を歌う、という企画色の強いものです。
アコギの弾き語りになったからといって歌い方が変わるわけでも、
ギターの弾き方が変わるわけでもなく、
全体的にデモテープをレコーディングしている風景を、
歓声つきで聴かされているような雰囲気、単調さがあります。
それはファンではない人がいきなり聴くには退屈すぎるし、
ファンでもそんなにJ・マスシスの人柄を知っている人でなければ
このアルバムは「どうしてこんなことをしたの?」という疑問符に終始するものだと思います。
でも、たしかに、レビューを客観的に書こうとすればするほど
そんなに好意的に評価することができないアルバムではあるものの、
どういうわけかファンなので(僕は)聴いてしまいます。
ジャンルは違いますが、ロッキー・エリクソンの弾き語りなんかにも通じる、
なんともいえない雰囲気が単調な演奏の中から時々ふっと湧き出てくる瞬間があって
そこが少しだけクセになります。
これを真面目に捉えず、ネタ的におもしろいところを探していくなら、
時々発動するマスシス氏のめちゃくちゃなアコギのギターソロや、
結局レナード・スキナードのカバー「Every Mother's Son」が一番良かったりするところ、
観客がいまいちアコギのノリについていけないのか、
ヘンなところで歓声を挟んでいたりするところなど、
探すとすればいくらでもそういう良さを見つけることも出来ます。
正直星を4つつけたのはファン評価で、実際は星3つ程度のものかと思いますが、
この値段ですし、それで買うなら損はないというだけのクオリティはあると思います。
マスシス氏の喉の調子やらギターのトチリなどが多いわけではなく、
その点はいたって上質なアルバムではあるので、楽しめる方は間違いなく楽しめるはずです。