ジェネシスの発掘ボックス・セット・シリーズもいよいよ終盤ということで、今回は彼らのライヴ音源の集大成です。
下記4作品にボーナス・ディスクがついて、CD8枚、DVD3枚の全11枚セット(筆者はリージョン問題なし)。
Live(1973年)、Seconds Out(1977年)、Three Sides Live(1982年)、The Way We Walk(1992年)。
ジェネシス・ファンなら問答無用でマストなのですが、さて。
まず、長所は:
・全作品ともニック・デイヴィスによるリミックスとリマスターが施され、今まで音質面に問題あるとされた初期作品(特に73年の「Live」)を初め、すべてが高音質でよみがえった。
・5.1マルチ・チャネルのDVDオーディオは臨場感たっぷり。
・ボーナス・ディスクで、73年ピーター・ガブリエル在籍時のレインボウ・シアターでの音源が、ワンステージ分出そろった(初出4曲。ほかは98年の「アーカイヴ」で既出)。アルバム「月影の騎士」発表後の絶頂期。特に「シネマショウ」には、ひたすら涙。。。「エピング森の戦い」もライヴでやってしまうなんて・・・。
・豪華ブックレットもついて、多数のライヴ写真が楽しめる。インタヴューも載っている。
ちょっと不満な点は:
・73年の「Live」は、アメリカのラジオ番組「King Biscuit Flour Hour」向けに収録されたものだが、「サパーズ・レディ」だけ、今まで未公開。今回もなぜか収録されていない。解説書によると、「音源はあったが、レインボウ・シアターの方が良かったので、そっちにした」とある。何を考えとんじゃ!そっちは既出でしょ!歴史的演奏を聴くことができるのはいつの日か・・・。(ちなみに筆者は、高校生の時この「Live」で初めてジェネシスに出会いました。音質が悪いと言われてますが、むしろ、この霞がかかったようなサウンドが何ともミステリアスで、恍惚としてました。今回、リミックスでクリアになりすぎて、正直、ちょっと違和感あります・・・。)
・レインボウの初出4曲の内、「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」と「ミュージカル・ボックス」の2曲だけ、なぜかDVDオーディオしかない。CDに入ってないのである。CD1枚に入り切らないからだと思うが、だったら2枚にせよ。基本的に「CD」がまず正規音盤に決まってるでしょーが!
・75年の「眩惑のブロードウェイ」から5曲がボーナス・トラックとして入っているが、これは上記「アーカイブ」で既出。全然ありがたくありません(リミックスの意味は多少あり)。なんでこんな中途半端なもの入れたのか?だったら「サパー」を入れておくれ。お願い!!!
・ニック・デイヴィスのリミックスは悪くないのだが、どうも独特な感じがあり、今ひとつ。特に、ドラムがクリアーになるのは結構だけど、ややバランスが大きすぎるのと、シンバル等金モノが耳につきすぎる傾向あり。これは、大御所フィル・コリンズに気を使ってるのか?
・ジェネシスのメンバーはトニー・バンクスとマイク・ラザフォードを中心に、この発掘作業に関与しているようだが、どうもリミックス等についてはニック・デイヴィスに丸投げしているようで、どうかなと思われる。
ということで、ディープでコアなファンには、ほんの少し「愛」が足りない感じがするのが残念です。だから、まあ80点ってところですかね。
さて、発掘シリーズの最後はジェネシスの映像作品を集めた「Movie Box 1981−2007」というのが11月に出るらしい。一瞬、ドキッとしましたが、年代で明らかなとおり、全てフィル・コリンズ時代の過去のDVDの焼き直しのようです。
そんなものに、一切関心ありません。ピーター・ガブリエル脱退後のジェネシスは、本当のジェネシスとは呼べないんですから!
いつの日か「眩惑のブロードウェイ」のフル・ステージDVDが観られる日が来ることを夢に抱きながら・・・。