彼らの音楽の中で、最大の金字塔。
全体的に、やや気だるい感じがする クセのある1枚。
独特なボーカルの歌い方、沈んだコード進行、ダウンビートぎみなドラム。
Stone-washed という言葉がしっくりくるだろうか。
個々は荒々しく力強いが、ざらざらした見た目よりも着心地は良く、なにより揺るがない頑丈さがある。
そうやって創られた世界にのる、欝気味な詩が また本当に恐ろしいのだ。
孤独、後悔、自虐……過去から離れたいのに、抜け出せず無意識にすがりついてしまう弱い心への憤り。
発散できない全ての感情が ごちゃまぜに織り込まれた言葉は、真っ直ぐに心の真ん中を射抜いてくる。
鳥肌が立つほどの名曲がずらりと並ぶ。
それは決して、Singleだけではない。『スロウ』『SUN』『25』『望みの彼方』……一枚に詰め込むのがもったいないくらいだ。
その中でも、『光について』 の圧倒的な存在感は 桁違いだ。
振り返ってしか分からないものの大切さ。
落としてみないと気付かない時が、淡々と絞り出すような 声で、音で、胸の中に広がっていく。
イヤホンに心を委ねて、空を見上げると 自然と涙が流れそうになる。
「やるせなさ」がいっぱいに漲った、会心作。
音と詩の持つ力を知るものなら、一度聴いてしまえば素通りは出来ない。
止まらない時の中ででも、足を止めて聴き入りたい世界がここにある。