このアルバムのタイトル。前作が『READY TO DIE』だったからこそのものだけれど。今となっては別の意味を持ってしまった。やばいよ。ヘタするとこれがギャングスタ・ラップ最後の大作ってことになるのかもしれない。去る97年3月9日、衝撃の銃撃死をとげたビギーのラスト・アルバムだ。奇しくも同じく銃殺された宿敵トゥパック同様、豪華ゲストをたっぷり迎えた2枚組。今やアメリカのポップ・シーンのメインストリームど真ん中に位置するヒップホップの中心人物……という自信がやけに空虚なものにさえ思えてくる。こんな状況を迎えるために彼らはヒップホップという素晴らしいストリート・カルチャーを成長させてきたわけじゃないはずなのに。聴きながら、どこかくやしい思いを捨て去ることができなかった。
音のほうはむちゃくちゃ充実している。ショーン・パフィ・コムズやナシーム・メリック、スティーヴィー・Jらバッド・ボーイ・エンターテインメントの面々はもちろん、DJプレミア、モブ・ディープのハヴォック、イージー・モー・ビー、ディギン・イン・ザ・クレイツ・クルーのバックワイルド、ボーン・サグス・ン・ハーモニー、ノーティ・バイ・ネイチャーのケイ・ジー、リル・キム、クラーク・ケント、112、トゥ・ショート、R・ケリー、DMC、そしてなんとなんとウータン・クランのRZAなどがゲストとして、あるいはプロデューサーとして入り乱れる大傑作。新時代のポップ・ファンクの完成盤といってもいい。この盤が幕引きになってしまわないことを心から祈っている。