このアルバムを過去の作品の中の一曲で現すなら「渚にて」の雰囲気に近い。
本作は多数のミュージシャンの曲から選んで構成されたカバーアルバムであるが全体を通して優しい一十三十一の歌声を味わうことができる。
ちなみに私はカバー元の曲を一つも聴いたことがないので真っ白な頭で聞いた感想をレビューさせてもらう。
1.返事はいらない:「やさしさに包まれたなら」や「中央フリーウェイ」と似た雰囲気を持つユーミンの曲。その世界観を全く変えることなく一十三十一が再現しきっているといった印象。一十三十一の歌声であるのは確かなのだが。もともとユーミンとは相性のいい歌声なのか。
2.風立ちぬ:フラダンスが見えるようなメロディー・歌ともにゆったりとして暖かい曲。騒々しさを感じさせないという意味でまさに風立ちぬといった印象になっている
3.ラブレター:口笛とアコースティックギターのゆったりとしたメロディーとこれまた優しい歌声の一十三十一がほんわかした気分でラブレターを奏でる
4.青春は一度だけ:ラブレターとほぼ同じような雰囲気であるが、口笛がなく男性のコーラスが少々入っている。
5.左手で書いたラブレター:ほんわかした気分はこれも同様だが、ギターがエレキになりサックスが加わることで、全体的にゆったりとした夜のレストランのようなぼんやりとした甘いムードに仕上がっている
6.Letters:スローテンポから一転してアコースティックの動きが活発になり、一十三十一の歌声も何かを訴えかけるようなものになる。しかしそれを煽るのはサックスと電子オルガンでそれほど攻撃的なものとなっておらずJazzっぽい雰囲気の中で成り立っている。
7.景気楼の街:風立ちぬのようにフラダンス的な雰囲気がある。しかしこちらは暖かい中に過去を振り返るような哀愁感が漂っている
8.STORM:優しいタッチだが活発なエレキのメロディーとゆったりとした歌のメロディーのギャップが、後悔の渦に巻き込まれているような状態を柔らかく表しているように感じられた。
9.Love Letter:宇宙の世界観と歌詞の切ないストーリーの組み合わせが妙な違和感を感じさせる一曲。
10.春の手紙:これも全体的にゆったりとしている。ゆったりとしているが盛り上がるところは盛り上がりストーリーの流れはしっかりと感じとれるものとなっている。